
シーリング防水とは、建物を建てる時に使用する、建築材料をつなぎ合わせて、隙間を埋めて、建物の内部に水が入らないようにするための、防水工事のことです。
防水機能はもちろんのこと、気密機能も備わっており、建物の防水性、気密性を維持する重要な役割をもっています。
この防水工事に使用されるシーリング防水材は、大きく分けて2種類あります。
ガスケットとも呼ばれる、あらかじめ成形された、形状の定まっているものをはめ込む“定形型シーリング材” と、形状が定まっておらず、ペースト状になっているものをはめ込む “不定形型シーリング材” です。
これらは、主に壁などの目地と呼ばれる部分や、建具などの周囲にはめ込み、建物に悪影響な水を防ぐ、シーリング防水材として多く使われています。
よく聞き覚えのある、コーキングというものもシーリング材の一種で、工事や材料含めコーキングとも呼ばれていました。
現在では、シーリングと呼ぶことも一般的になってきましたが、コーキングもシーリングも同じ意味として捉えられています。
2つに分類されたシーリング防水材ですが、その種類は豊富で、それぞれの成分により、施工する箇所にも向き不向きがあります。
■シリコン系
耐久性、耐候性に優れていて、ガラスや金属、石材の接着や目地部分に適しています。
ただし変性シリコン系は、ガラスへの接着力が若干低いため、よく説明を受けた上で防水工事をすすめましょう。
■アクリル系
主にALCパネルの目地や、サッシ・天井と壁の隙間などに多く使用されています。
硬化後であれば、湿った箇所にも使用することは出来ますが、未硬化の場合、雨水などにより流れてしまったり、氷点下などの気温が低い時は凍結の恐れがあるなど、施工時の天候に左右されることもあります。
(アクリルウレタン系はコンクリートの目地部分に適しています)
■ウレタン系
耐久性はあるが、耐熱性、耐候性が弱いです。
しかし表面に塗装が可能で、これをすることにより、弱点を補うことが出来きます。
コンクリート、石材ストレート、金属、木材などの接着や目地部分に使われています。
(ポリウレタン系はガラスとの接着性が若干劣ります)
■ポリサルファイド系
基本的に耐久性は高いため、石材やタイル、PCコンクリートなどの目地部分や接着に、多く使用されていますが、カーテンウォール等の頻繁に動く箇所への使用は、寿命が短くなることが予想されます。
また、硬化後はゴムのように弾力性を持っています。
上記に挙げたのは、シーリング防水材のほんの一部であり、この他にもまだまだ種類はあります。
防水や気密を目的とした、シーリング防水材ですが、必要箇所に適したものを選択しなければ、その役割を果たせない場合もあります。
成分の特徴をよく理解し、それを活かしたシーリング防水工事が望ましいです。